今読み返したいことば、世界平和2022.05.12

日々生活の変化への対応に追われ、

なかなか読めていなかった本をまとめて読みました。

 

新しいこと、知らないことを知るのはとても面白く、

健康、食、歴史、政治、建築、お茶、絡合、武士道(葉隠れ) など

様々な分野の本を読んで、多くの学びや気づきがありましたが、

中でも建築家の吉阪隆正さんの言葉がとっても心に響きました。

 

 

一生かかってやりたい仕事、否

一生で足りなければ子に受け継いでもやりたい仕事、

それは何か。

世の中の人間がお互いに相手の異なった立場を理解し合える様な状態に結びつけることである。

その時 ほんとの平和が至り人類は眞に幸福に天国を地上に招くことができる。

その手段は、

皆が頭の内に地球の縮図を懐き得、且つ各地点を指された時にはたちまち、その地点の中心に、

そこの世界に自分を見出し得る様な精神状態にあらしめることである。

自分前後左右の世界程親しいものはない。

別離の哀情もそれに基づく、然らば世界中のどこをも

自分の前後左右に感じ得られるとしたら、世界中は自分と親しいのである。

親しいとは言わずして理解することである。

理解する所に争いが生じ得られようか。

 

 

世界の平和を祈ること今日より切なるはあるまい。

ということは、

それだけ世界は危機にさらされているということなのだ。

一体その危機はどこにあるのだろうか。

それを解除させる方法はないものだろうか。

私はそのために何をなし得るだろうか。

これらの問いが私を今日まで導いて来た。

 

 

「好きなことはやらずにはいられない」

「やらずにはいられない」のと「やらざるをえない」とでは、

雲泥の差があります。

私は自分の携わる建築学が手放しで好きなのです。

俗に、寝食を忘れると言いますが、

人間好きなことに打ち込んでいるとき、

最も充実感を味わうのではないでしょうか。

 

 

恋と同じ気持ちを異性ばかりでなく、

仕事上にも情熱を傾けさせる。

いや私のいいたいのは、そのように仕事に恋した時にはじめて、

心に訴え、知恵の働いた、大胆な、

世をうごかしてゆくような仕事ができるということだ。

「オペラ歌手は、恋する心を失ったとき声が出なくなる」と言われている。

建築家は人類の生活への情熱を失ったとき、

一介の技術者となってしまう。

 

 

昨今、無駄のないよう効率的にとか、儲かるとか、簡単にとか、すごそうに見えるとか

そんな建物やそんな仕事が多くなってはいないでしょうか?

便利な暮らしができるため、だんだん上手に仕事をするようになって、

みんな技術者になってしまってはいないでしょうか?

今やっている仕事に情熱を持てていますか?

 

今だけ、金だけ、自分だけになっていませんか?

働いて、傍(はた)を楽にできているでしょうか?

 

人口増加と文明の発達。原発などのエネルギーと環境。

コロナや戦争、不景気に分断社会、そしてニューワールドオーダー。

混沌とした世の中において、世界の平和を祈る吉阪さんの想いが、

今こそ必要なときなのではないでしょうか。

すべての人に明るい明日を。

 

 

 

吉阪隆正

幼少期をスイスで過ごし、コルビュジェ、今和次郎から学び、

建築家、都市計画家、アルピニスト(山人)、大学人(早稲田)など世界的にも様々な顔をもつ

今は亡き仙人のような、建築界の巨匠の中の巨匠。

 

 

なんと、ちょうど東京都現代美術館で6月19日まで

吉阪隆正展-ひげから地球へ、パノラみる

をやっているということで、是非吉阪さんを通して、

自分の生き方、想い、今の日本や世の中、世界平和を考えてみてはいかがでしょう。