風景をつくる

風景をつくる 写真1

楽しい風景をつくりたい。
ステキな建物をつくる。ということだけではなくて、
人が生き生きとできる場所をつくりたいと思います。

花に水をあげているときに、道行く人と挨拶をする。
こどもが外にでて遊ぶ。
みんなでバーベキューをする。
縁側で将棋を指す。
大きな軒下で日曜大工。
ご近所さんとの井戸端会議。
干し柿を日のあたるところに干す。
蝶や鳥、たまには猫なんかが庭にやってくる。
ドーナツを買う、屋台で飲む、美容院でキレイになる。

どんなことでもいいのです。
その場所で人が暮らすことが、そのまま風景になるのだと思うのです。

風景をつくる 写真2

そして街と家が切り離された閉ざされた家より、
街と繋がる家にしたいと思います。

大地は万人のもの。
家は街の一部であり、街は自分達の街だと思うのです。だから、その街に馴染むような家であるように配慮をしみんなに愛される存在であってほしいと思います。
そして近所の公園はもちろん、家の前の道路も自分達のものなのです。

自分達の生活圏は自分達がきれいに気持ち良くつかう。そんな意識が重なることで、自分達の街がよりよくなっていくのではないでしょうか。

木の建築

木の建築 写真1

木の建築は落ち着く。
生きた素材だからでしょうか?
木はどこか気持ちをほっこりとさせてくれる、そんな素材だと思います。
太く立派な木の構造材はとてもたくましく、安心感があり、木でできた手すりや取っ手は優しい手触りのよさがあります。
紙も木からできた素材です。障子を通してこぼれる明かりもいいものです。

古くから日本では木で建築をつくってきました。
その積み重ねによって高められた木造技術、文化はとてもすごいものだと思います。
お寺や神社、お城へ行ったときに、木組みや木の継ぎ加工、深い軒を造る仕掛けなどを見て感心してしまいます。

今、技術の発達により、昔より簡単に家が建つようになり、工業化された味気ない家が多くなってきています。しかし、このような家が日本の文化と言えるのだろうか?と考えてしまいます。
そこに誇りはありません。

木の建築 写真2

建ち並ぶ家を見ても、
新築でサイディングでつくられた家よりも、板張りの家に親しみを感じますし、アルミサッシよりも木製建具のほうが温かみがあります。
アルミフェンスよりも木製の板塀が味わいがあります。

火に強い家づくりを国が主導してきた結果かもしれませんが、下地に不燃材を張れば仕上げに木を使用することもできるのです。

木の国にっぽん
日本の国土の2/3は森林で、日本は世界有数の森林大国なのです。
そんな日本の風土には木の建築がぴったりなのではないでしょうか。また日本には古くから優れた木の文化と技術があります。
今こそ木の存在を、木の良さを見直し、きちんと誇れる木の建築を造っていきたいと思います。

家づくり10原則

家づくり10原則 写真1

1.その場所にとけ込む
周囲の人にも好きになってもらえるように
その街に、その場所建つ家として自然であるように、
これからずっと存在していく家として、
その場所に受け入れられるような家をつくっていけたらと思います。

2.自然と一体になる
山、川、海、空、森、花、風、太陽、月、星、雲、植物、動物
自然の力は偉大です。
日々の暮らしの中で自然の美しさ、豊かさを感じることができ、家も人の生活も自然の一部となるような、自然と一体になる家を心がけています。

3.心地のいい家
居心地、寝心地、さわり心地、食べ心地。
心地はとても大切な幸せ要素です。
家が帰ってきたい場所、落ち着く場所になるように
心地のいい家にしたいと思います。
家族みんなの気持ちのいい家

4.美味しく食べる
家族団欒のベースはなんといっても食事ではないでしょうか?
ときには仲間を呼んで大勢で食卓を囲んだり、おやつを食べたり、お茶したり、晩酌したり、パーティーしたり。
色んな話をしながら、楽しくつくって、楽しく食べる。
食卓や台所はとっても大切な場所だと思います。
そこから見える景色、素材や明かり、家事動線、収納場所、使い勝手など、気持ちよく美味しく食べるためには様々な要素がからんでくるのです。

5.内と外を緩やかにつなぐ
縁側ってとってもいいイメージがありますよね。
縁側でスイカを食べたり、日向ぼっこしたり、線香花火したり。家の外とも近く、中とも近い場所。外なのか内なのか。そんなあいまいな場所を大切にしたいと思います。それが縁側じゃなくても大丈夫。
大きな軒下だったり、それが駐車スペースだったり、
玄関だったり、玄関までのアプローチだったり。
縁側みたいに内と外を緩やかにつなぐ場所。

6.お気に入りをつくる
ついつい写真を撮りたくなるような舞台のような階段、木漏れ日が揺らめく居心地のいい場所、
みんなを迎え入れる場所や掘りごたつのある居間。
みんなで作業のできるキッチンにピザの焼ける暖炉。自慢の庭。趣味の場所。

家づくり10原則 写真2

どんな場所でもかまいません。
自分達の想いの詰まったお気に入りのポイントがあるといいかと思います。
お気に入りは、家を好きになるために必要な大切な要素なのです。

7.わくわく(遊び心)
教科書通りの型にはまったことばかりしていても面白くない。そこに遊び心を加えることで、何倍にも面白いものになる。
いつも人をわくわくさせられるように。
今の世の中は規制が多く、なかなか自由にはいきませんが、それでも前向きに遊び心を大切にしていきたいと思います。

8.しっかりとした家
せっかくいい家だと思っても、建物がよくゆれたり、材料がよくなかったり、確認申請は通っても、それで全部大丈夫という訳ではありません。
まずは自分で納得できるよう、長年しっかりともちこたえられるような構造であったり、材料だったり。
しっかりとした家でなければなりません。

9.住みやすい家
いくら建築的にいい家になったと思っても、
収納が足りなかったり、暑かったり寒かったり
水圧が弱かったり、なんだかジメジメしたり、
何か大切な要素が足りないと、それは住みやすい家ではなくなってしまいます。
住むのはお施主さんです。
しっかりと話しをして、お施主さんにとって住みやすい家にしたいと思います。

10.自分達の家にする(家づくりを楽しむ)プロセスを体験する、楽しむ
家は住む人のものです。
家が出来上がるまでの過程も見てもらいたいですし、家づくりの過程を楽しんでもらいたいです。
家づくりにもどんどん参加してもらいたいと思います。
そして住む人に愛される家になって欲しいと願っています。自分で手を加えることでどんどん自分達の家になっていくのでお施主さんには沢山家に手をかけてもらいたいと思います。そして僕たちは家を一緒につくっていくパートナーでありたいと思います。
住んでからもたくさん手をかけてもらえる、愛される家をつくっていきたいです。

日本らしさ

日本らしさ 写真1

みなさんは日本が好きですか?

自分が生まれた国なので日本のことは好きです。
親切な人が多く、暮らしやすくていい国です。

しかし今の日本の街並みに誇りを感じることはできません。
利益を追い求めるがゆえ、小さく区画された土地いっぱいに
安っぽい素材で単純に建てられた建物が立ち並び、街や建物が生きていないように感じるからです。

当時、外国から日本に訪れた多くの人たちには
日本の風景や街並み、人間性、文明、文化など
他の国にはない日本らしさが、とても魅力的だったそうです。
しかし、文明開化、敗戦以降、次第に外国の文化が日本に入ってきて次第に日本らしさが影を潜めていきました。

日本らしさ 写真2

グローバリズムなどと響きのいい言葉で隠された、失われつつある日本らしさ。
世界がみんな同じになってしまったらつまらないと思います。

今更鎖国をする必要は全くありませんが、
皆が今までの日本の良いところを思い出し、入ってきた多くの文化を取捨選択し、
日本の大地に合ったこれからの日本を考えることで、
日本が日本らしいステキな国になればと思います。

思いやりの国、日本。
自然大国、日本。
木の国、日本。
美しい国、日本。

自然との共存

自然との共存 写真1

四季折々の豊かな自然をもつ日本は、自然の持つ神秘的なものに「神」を見出してきました。
山や川の恩恵をうけながら生活し、大きな木をご神木として、心の依代としたり、
太陽をお天道様と呼び、「悪さをしたらお天道様が見ている」と言われてきました。
自然崇拝から生まれた神道という信仰精神があったのです。

自然との共存 写真2

その自然の中に美を見出した「優美」という日本の美意識により、居住空間の中で自然美をより感じられるように、外部と内部の中間領域である縁側などが生み出され、鳥のさえずりや虫の音や花の香を楽しみ、月見をしたり、
四季折々の季節のうつろいを楽しんできました。

日本では自然美を楽しむため、
庭をつくったり、様々な工夫をし、自然と一体となろうとするのです。

愛嬌のあるかたち

愛嬌のあるかたち 写真1

丸、三角、四角。楕円、円錐、凸凹。
その形状によって受ける印象はそれぞれ違ってくると思います。
そう、建物はかたちによって大きく印象を変えるのです。

もちろん周りの植栽だったり、人の賑わいだったり、
印象を与える要素はかたちだけではありませんが、
建物の見た目にもこだわりたいと思います。

その場所になじむように、周りとの関係を考慮して、
いったいどんな建物がここに建つといいのかを考えます。

外的要因から考えられたり、内部から生き物のように形づくられたり。

愛嬌のあるかたち 写真2

主張しないようにさりげないようなときもあれば、
わかりやすい特徴がある場合もあるかと思います。
建物の大きさや窓の大きさや形、庇の有無、素材、壁の仕上げ、屋根の形、色、塀や門との関係や植栽との関係など配慮することは沢山あります。
他にも換気扇や雨どいの位置、エアコンの配管だったり、給湯器などの設備をどこに配置するのかなどなど。
じっくりと検討を重ねていきます。

そしてどこかちょっと愛嬌のあるかたちをを探しています。

全てはみんなに愛される建物にするために。

光と影

光と影 写真1

キレイにライトアップされた明かりは人の心をひきつけます。
イルミネーションだったり、夜景だったり、お洒落なインテリアだったり。

美しいと感じるのは、ほの暗い中にほんのりと柔らかい光がこぼれている感じ。
蝋燭(ロウソク)の火や、暖炉の炎、暗い夜道にこぼれる温かい家の明かり。

ただただ明るくした空間は美しくありません。
ネオン街や、とにかく明るくしただけのお店、明るすぎる室内。
賑やかな感じはあるかもしれませんが、美しくはないです。
欲しいのは生きた光。
ただ照らすだけでなく、光と影のバランスが大切なのです。

光と影 写真2

昼は昼らしく健康的で明るい暮らしを、夜は夜らしくしっとりと。
そんな明かりになるといい。

昔は、ほの暗い中にこそ美しさを発揮する日本の美がありました。
暗い中で映える漆の輝き、
月明かり、
欄間からこぼれる隣の部屋の明かり、
障子に映し出される外の影。

軒を深くして、居室の前に縁側をもうけて、
そこそこの照度で落ち着いた空間を作り出していました。

なんでも明るくてすればいいってもんじゃない。
影があるから感じる日本の美学があります。
必要なところに必要な明かりを。

人の大きさ

人の大きさ 写真1

都会の街へ行ったときに、背の高いビルが立ち並び、空もあまり見えなく
どこか威圧的で窮屈に感じたことはないでしょうか?
逆に、田舎などで自然が広がっていて、平屋や2階建ての建物がゆったりと建っていると
どこか心まで広々と感じられるのではないでしょうか?

都会では土地の値段が高いため、できるだけ効率的に収益を上げる為に
どうしても背の高い建物ばかりになってしまいます。
これは人のための大きさではなく、経済効率のための大きさだと言えます。

田舎の土地の安いところでは、敷地にゆとりがあり、建物をぎゅうぎゅうに詰め込む必要がないため、快適さや気持ちよさを優先して人の高さで建物を建てることができるのです。

人の大きさ 写真2

技術の進歩により、背の高い建物を建てることができるようになったのはいいのですが、
みんなが、自分たちの経済効率ばかりを優先してしまうと、窮屈な街になってしまいます。

背を高くしなければいけないときも、いきなりずズドンと建物が立ち上がるのではなく、
少しずつ高くしていくなど、工夫はいろいろとできるかと思います。
人が最初に入る入口に門扉を設けて高さを人の目線に合わせるなど、
人を出迎えるための工夫、しつらえをすることも工夫の一つです。

経済効率を無視することはできませんが、自分たちの街を気持ちよくすごせる場所にするために、少しでもお互いに思いやりを持って
人に優しい高さで建物がつくられるといいと思います。

日本の住宅事情

日本の住宅事情 写真1

近所に新しくできた新築住宅がちょっと残念。
そんなことを思ったことはないでしょうか?
敷地いっぱいに建物が建ち庭や緑などのゆとりも全くなかったり。
ぱっと見てまるでいい感じがしないような。風合いがないような。

今日本で新しく建つ新築の家はハウスメーカーの家が最も多いと思います。
次に、不動産による建売住宅でしょうか。
しかし、現在主流のこれらの住宅で残念な建物が多いことはかなり問題ではないでしょうか?
日本の住宅の文化として、自分たちの住む環境、風景としてどうかと思ってしまいます。
昔の古い建物のほうが素朴で嫌な感じがしないと思うのですが。
新しい技術や素材によって、風景としては悪くなっているような。。
もちろんそんな家ばかりではないですけどね。

ではどうしてこのような建物がつくられてしまうのでしょうか?

それは、ちゃんと考えられて計画、設計されていないからだと思います。
昔は大工や棟梁が考えて、つくる責任、誇りをもって設計していましたが、
(どのくらい昔でしょうかね)
最近は設計する人の間口が広がり、
あまり経験のない人や、専門じゃない人が設計していたり、現地もしっかりと見ずに立面図だけで、図面をつくったり、その家1軒のことしか見えてなく、まわりへの配慮がされていなかったり、利益が優先されるがあまり、パパッと図面をつくり検討もできていなかったり。
そもそも、いい家を造りたいという気持ちがなかったり。

日本の住宅事情 写真2

メーカー住宅や不動産の建売住宅自体を否定するつもりはありませんが、
ちゃんと考えられた家があまりにも少ないのではないでしょうか?

新しく建てられた残念な家の建築費を聞いていつも思うのです。
同じ金額なら、もっともっといい家をつくれたのに。と。

このままでは日本がダサい国になってしまいます。残念な家がどんどんできる今の現状をなんとかしたいです。
なので、ご縁があれば不動産やメーカーの建売住宅の相談も乗りたいと思います。
少しでも日本の風景がよくなるのなら。

メーカーがステキな家をつくってくれたらそれでもいいかもしれません。
衣食住の中で、住に対する興味や関心は比較的弱く、情報も少ないのかもしれません。
住む人にもちゃんと考えられた家を選択してもらいたいです。

生き生きとした素敵な風景をつくるために、
ちゃんと考えられた建物が増えることを願うばかりです。

幸せ

幸せ 写真1

幸せとは共有すること。
感動を分かち合うことである。
1人よりも2人で。
2人よりもより大勢で。
嫌なことは分かち合い、悲しさ半分。
嬉しいことはみんなで共有し、嬉しさ倍増。
自分だけじゃなくて、まわりのみんなも幸せに。

みんなの幸せが自分の幸せと思えるように。
そんな仲間をつくっていきたい。
麦わら海賊団みたいな仲間を。
家族を。

幸せ 写真2

・ピザは人を幸せにする
・プレゼントは相手も自分も幸せになる最高の方法