強烈な台風で屋根が吹き飛ばされたり。
大雨で家が浸水してしまったり。
10月の災害は家をつくっている人達にとっても考えさせられる大きな出来事でしたね。
映像を見る限りですが、
屋根ごと風で 飛んでいってしまっている ものは 2×4簡単につくってある屋根 でした。
経済優先でつくりが安易になってはいないでしょうか?
見た目や機能など目立つところばかりを優先させて、構造が不安定になっていないでしょうか?
建物の配置は道路からどのくらい高くなっていますか?
フラットでバリアフリーで段差のないこともいいですが、
ある程度動線が長くなっても、建物を道路よりしっかりと高くつくることは水の心配を減らすことにもなります。
家は人の命を守るところでもあるので、しっかりと安心な家づくりを心掛けたいものです。
さて、引き渡しから時間の経つ桑名の家ですがちょっと遅れて外構工事がはじまっています。
雨でなかなか工事が思うように進まないのですが、
今回外構のアプローチの一角に「家族の手形」をつくります!!
洗い出し仕上げのアプローチの工事中。
まずはスペースを開けておいたところにセメントを敷きます。
手形と併せて好きなタイルを一緒に埋めようということで、
たくさんのモザイクタイルから、それぞれ好きなタイルを選びます。
セメントの水分がある程度なくたってきたところで手形を採っていきます。
まずは一番小さな赤ちゃんから。
お父さんが上からしっかりと押さえます。
小さい!!
お父さんとお母さんに続いて子供達が空いたスペースに手形をつけます。
しっかりと型がとれました。
選んだタイルで飾りつけ。
最後に家の建った年「2019」と書いて
あとは養生をして乾くのを待ちます。
しっかりと手形ができました。
子どもたちの手の大きさはここからどんどん大きくなっていきます。
いずれお母さんの手の大きさと同じくらいになり、
お父さんの手と同じくらい大きくなるのはいつになるでしょうか。
手形は今を刻み、月日とともに成長を感じさせてくれます。
愛情注入
こうやって家に自分たちの跡を残すことで、
家をもっと好きになってもらえるといいなと思いました。
散歩をしている人たちにも、工事でちょっとかわっていく様子を楽しみにして頂いたり、
通学中の子供達に 「この建物マジすげー」って嬉しい言葉を頂いたり。
みんなに愛される建物になってもらいたいです。
こちらは 第7回JIA東海住宅建築賞2019の大賞を受賞 したTABの河合啓吾さん設計の建物のオープンハウス
詳しくはアーキテクチャーフォトというサイトに載っているのですが
ものづくりの原点に立ち返るように、
設計事務所が 設計以外にも工事を請け負って施工まで参加するという手法で つくられた建物です。
職人さんやお施主さんと一緒に建物を作り上げていく過程も、
その場その場でどうつくるかを一緒に悩んでアイデアをだして検討し、
お施主さんも床を貼ったりできるところは施工に参加したりして。
もちろんなかなか大変なことではありますが、
商品のようになってきている家づくりが多くなってきている今、
つくるということを考えさせられる、手作りの家でした。
やはり、自分たちで手を加えてつくることで、建物への愛情も深くなりますよね。
壁と天井も流通の多い30×40ミリの下地材となる木を透かして貼っています。
手間はかかりますが、材料代をかなり抑えながら木の仕上げ空間をつくっています。
テレビボードまで30×40を使って手作りです!!
いたるところで30×40の材料を使うことで、
材料の無駄が極力少なるようにしていました。
特にいいなと思ったところは外壁の作り方。
ここも同じ30×40の木を構造から離してつくっているところ。
(下側はしっかりと防水されていて、木の通気性は抜群の手法です。)
建具は既成のアルミサッシなのですが、木の壁材で開口を覆うことで、
アルミサッシのアルミ感の印象も薄まり、開口部に奥行もでいました。
また、 換気フードや雨どいもこの下に隠すことができるため、
外壁をきれいに見せることができ、とても印象がよかったです。
もちろん手間はかかりますが。
河合さんは少し年上のほぼ同世代の建築家ですが、
つくることにとことん向き合って建築をされていて、
とても刺激をうけたオープンハウスでした。
もうひとつ ポスト口のチャックが 印象的な仮の郵便受け。